なぜ東京電力が損害賠償しなきゃならないのかな?

今週のお題「私の小さなこだわり」

今日の思いつきは、書こうかどうか迷いましたが、
明日から、しばらく更新できないので、書いておくことにします。
お読みになって、気分を害される方もいらっしゃると思いますが、
ご容赦ください。

こだわりって言うのか、どうもよく分からない、納得できないことが、
今回の大地震以来なんとなく残っています。
東京電力が、損害賠償するのが、当然のように言われているが
本当に当然なのか議論すべきじゃないの?」
って言う気持ちです。

まず、損害賠償の原則は、損害を受けた側が損害を与えた側に
過失があることを証明することから始まります。
例外的に、過失の証明が要らないものがありますが、それらは
法律で決められたものに対してだけの話です。
この類を「無過失責任」と呼んでいます。

原子力発電所にも無過失責任について法律で定められていまして
原子力損害の賠償に関する法律の第二章原子力損害賠償責任
(無過失責任、責任の集中等)
第三条  原子炉の運転等の際、当該原子炉の運転等により
原子力損害を与えたときは、当該原子炉の運転等に係る原子
力事業者がその損害を賠償する責めに任ずる。
ただし、その損害が異常に巨大な天災地変又は社会的動乱に
よつて生じたものであるときは、この限りでない。 」
とあります

つまり、「異常に巨大な天災地変の場合は賠償責任は無いよ」
って書いてあるのです。

そこで、今回の地震が「異常に大きな天災」に該当するか
という話なのですが、行政はこれまで、異常に大きな天災
とは次のように決めていました。
「「異常に巨大な天災地変」とは、一般的には日本の歴史上
余り例の見られない大地震、大噴火、大風水災等が考えられる。
例えば、関東大震災を相当程度(約3倍以上)上回るものをいうと
解している。」

関東大震災はM7.9に対して今回の地震がM9.0ですから30倍以上の
エネルギーのひらきがあります。ということで、普通に考えれば、
今回の地震は「異常に巨大な天災」に該当するので、東京電力
賠償責任は無いということになります。

いまのところ政府からは官房長官が、世間が許さないから免責は
ありえないと発言しています。(一応個人的見解と断ってはいます)

政府は色々立場があるのでしょうが、法律で決まっていることですから
最終判断は司法の手にゆだねるべきだと思うのです。
ところがそのような議論が、マスコミでは一向にされないのは、
とても不思議です。

先日、全国銀行協会奥正之会長(三井住友フィナンシャルグループ会長)は
記者会見で、東京電力の福島第1原発事故で見込まれる巨額の損害賠償について
「本件は(免責の対象となる)異常に巨大な天災地変に当たると考える余地は
十分にある」と指摘したのですが、このことはほとんど報道されませんでした。
マスコミに圧力でもかかっているのでしょうか?

今の段階で政府から
東京電力に賠償責任はありません、当然政府にもありません。
お気の毒ですが我慢してください」
などといえば、暴動が起きるでしょうから言いにくいのは分るのですが、
法治国家として、法律をないがしろにする発言を官房長官がしていて
いいのかと疑問に思っています。
「東電は免責にする、その代わり救済法を作り被害者に十分な手当てをする」
が法律に基づく正しい道筋だと思うのですが・・・・

つまんないお話の後は、本日のお写真です。