東電の賠償について、再度思うこと
昨日の、毎日新聞に
「原子力損害賠償法:欠陥放置50年 民主が改正案作成」
という記事が載っていました。
内容は、現行の「原発事故の賠償のあり方を規定した原子力
損害賠償法」の規定の中の、「異常に巨大な天災地変の時は、
この限りではない」(3条ただし書き)との免責条項で、
定義があいまいで「国の賠償」にも触れられていない点が
欠陥だというので、そこを改正するという内容らしいです。
☆
東電に融資する金融界は当初、2万人を超す死者・行方不明者を
出した今回の震災は「異常に巨大な天災地変」に該当するとし、
東電の免責を主張したそうなのですが、財務省の勝栄二郎事務次官は、
「東電を免責にすると賠償主体がなくなるって知ってますか?」
と大手行首脳に問いかけ、考え直すよう指導したそうです。
☆
*記事は次のURL
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20110801k0000m010143000c.html
☆
☆
このことは、政府としても東電が免責になる可能性は十分あると
認識していたことを示すものであり、法を捻じ曲げてでも政府の
意向を通そうとする官僚のやり方です。
☆
最近保安院や九電のヤラセが槍玉に上がっていますが、官僚の
大手銀行に対する脅しが問題とならないのは不思議です。
もちろん脅しでなく、説明と理解であるとおっしゃるでしょうが
銀行は立場上、財務省に反論できないのですから脅しでなければ
命令だといってよいでしょう。
☆
私は、4月21日の記事で、
・・・法治国家として、法律をないがしろにする発言を官房長官が
していていいのかと疑問に思っています。
「東電は免責にする、その代わり救済法を作り被害者に十分な
手当てをする」が法律に基づく正しい道筋だと思うのです・・・・
と書きました。その考えは変わっていません。
そもそも巨大な自然の猛威によって引き起こされることに対して
賠償という考え方はなじまないと思うのです。
☆
千年に一度の大雨で、巨大なダムや堤防が決壊するとか、
千年に一度の大地震で石油タンク・ガスタンクが爆発する
ということは、今でもありえることです。
そうした事態に対しても、設計に過失がない限り賠償の必要は
ないのです。
技術の世界ではそれが当たり前であり、そうでなくては、
賠償が怖くて設計などできません。
つまり、日本を含む先進国では「ある程度の確率を超える
自然現象による被害は、仕方がないと諦めましょう」
という考え方が主流に、なっているのです。
☆
民主の改正案は、あくまで電力会社か国が賠償という形を
とるべきであるということですので、一応技術者の端っこ辺に
いる私には大変奇妙に思えます。
☆
☆
☆
難波戎橋の夜景です。連日ちょうちんに灯がともり
にぎわっています。
コンデジで夜景をとる場合は、フラッシュを発光禁止にして
手すりなどの上においてシャッターを切るとブレの少ない
写真となります。カメラを載せる台があれば、そこに載せて
タイマーでシャッターを切るようにすればさらにブレは
減少します。一度お試しください。