本当に脱原発をのぞみますか?

福島事故以来、世の中は反原発に大きく流れているようです。
事故自体はあってはならないことですし、避難されている方や、
風評被害で大きな損害をこうむった方にはお見舞い申し上げます。

しかし、だからといって「原発は止めましょう」「電気は我慢
しましょう」ですむのか少し考えてみるべきだと思っています。

実際、足りないといわれてきたこの夏も何とか乗り切れたんだから
原発なくてもやっていけるんじゃないかというご意見もあります。
しかしそのために経済活動に大きな制限が加わりましたし、
何より今年の夏は、昨年ほど暑くなかったのです。
これは、とても幸運だったのです。

読売新聞の9/7社説を引用しますと、
「全国54基の原発で動いているのは11基だ。再稼働できないと
運転中の原発は年末には6基に減る。来春にはゼロになり、震災前の
全発電量の3割が失われる。
 そうなれば、電力不足の割合は来年夏に全国平均で9%、原発依存
の高い関西電力管内では19%にも達する。今年より厳しい電力制限
の実施が不可避だろう。
 原発がなくなっても、節電さえすれば生活や産業に大きな影響はない、
と考えるのは間違いだ。不足分を火力発電で補うために必要な燃料費は
3兆円を超え、料金に転嫁すると家庭で約2割、産業では4割近く値上
がりするとの試算もある。震災と超円高に苦しむ産業界には大打撃とな
ろう。」
ですが、これだけなら「大企業は儲けているんだから・・・」などと
言う人もいらっしゃるようで、緊迫感がありません。読売新聞は、
その先に待つことも書くべきだったと思っています。
電力が不足するとはとんでもないことを意味するのです。
電力不足による産業空洞化、電気代の値上げによる
経済規模縮小は日本国の存亡すら怪しくするのです。

以下は、私の予想する原発を止めた場合のシナリオです。
妄想かもしれませんが、私にはリアルに思えます。


少し経済を勉強された方なら、よくご存知だと思いますが、
経済規模は縮小し始めると負のスパイラルによって、
加速しながら、際限なく落ち込んでゆくのです。
ちょっと不景気になるどころではありません。
税収は激減し行政サービスは低下します。

町には失業者があふれ、生活保護を求める人が山のように増えますが
税収不足なので、生活保護のレベルも切り下げざるを得なくなります。

多くの国で見られるように、失業者たちの一部は、食べるために犯罪
者となりますが、警察もゆとりがないので、犯罪被害者が大幅に増え
ると予想できます。衣食足りなきゃ礼節は忘れられるのです・・・

輸出を主としていた企業の多くは、本拠を海外にうつすため、円安と
なるも、輸入超過状況は続き、輸入品価格が上昇し、食料品などの
生活必需品も激しく値上がりしますが、景気が減速(リセッション)
するいわゆる「インフレッション」状況になり、飢える人々が目立つ
ようになってゆきます。

そして栄養の悪さと、公衆道徳意識の低下からインフルエンザやコレ
ラ等の疫病が流行しますが、不景気でお金がないため満足な治療も
できず多くの命がなくなります。

経済が発展途上国並になってしまえば、医療も当然そうなるわけで
病気になっても満足な治療は受けられなくなります。
子供・新生児の死亡率も平均寿命も低下してゆきます。

そして20-30年後に東海+南海+東南海地震がおきますが、もはや日本
には立ち上がる余力は残っていないので、米国の統治領になります。
・・・・・・・


原発を止めたからといって、どれだけ幸せになるのでしょうか?
脱原発を訴える人は、こうしたシナリオは起きないという根拠が
あるのでしょうか?

原発脱原発をおっしゃるのであれば、
これぐらいは考えてほしいものです。


西本願寺では750回忌法要が執り行われています




親鸞聖人助けてください。