緊縮財政はやめて欲しいです。

受験シーズンですが、高校・大学も私立は終わって、国立・公立の試験と
後期試験・二次募集なんかが残っているだけですね。頑張ってください。

受験はもっと先のことという人、日本史はどんな参考書で勉強していますか?
色々な参考書があると思いますが、私のオススメは「風雲児たち」という
漫画です。ずいぶん昔の漫画ですが、まだ連載されているようです。
一時期単行本は絶版になっていたようですが、今は買うことが出来ます。
守備範囲は、関が原から幕末までの江戸時代です。

風雲児たち (1) (SPコミックス)

風雲児たち (1) (SPコミックス)


色々なブログで絶賛されている本です。大人でも勉強になります。
大長編ですから買うのは大変だと思うのであれば、
図書館で借りてきて読んでください。
買う気になるかもしれませんよ

ところで皆さんは、松平定信田沼意次って知ってますよね。
普通のイメージは
田沼:賄賂まみれの腹黒い政治家
松平:清廉潔白・まじめな政治家
ではないでしょうか?

最近の出版物では、そのイメージが覆されているものが多いのですが、
私が学生時代に学んだ二人ははまさにそのイメージでした。

しかし、風雲児たちを読んで、それまでの評価は誤りであったと
認識を改めました。そしてその評価は、現在では主流となって
いるようです。

詳しくは、ネットで調べるか本を読んでいただければよいのですが、
二人の採った政策は次のようなものです
田沼:経済振興と商人等への課税による幕府収入の拡大
   公共事業の推進、北方開発・・・・etc
松平:田沼政治の全否定、おじいさんである吉宗の政策への復古
   庶民のレジャーの禁止・・・etc

松平に変わってから、一時は庶民たちが喜びました。
なんせ天変地異まで悪いことは田沼のせいにしていたのですから・・・
まるで民主党に変わったといって喜んでいたどこかの国民のように

ところが、松平の何の楽しみもなく倹約だけする緊縮財政に
庶民はたちまち音を上げます。財政状況も極めて悪くなります。
そして有名な狂歌が生まれるのです。
「白川の清きに魚もすみかねて、もとの田沼のにごりこひしき」
そういえば、今の日銀総裁も白川さんだったっけ

ようするに、倹約=緊縮財政では財政再建できないってことは
江戸時代でも証明されていたのですね。

VOICEという雑誌の2月号にノーベル経済学賞を受賞した
ポール・クルーグマン」という学者さんのインタビューが
出ています。

Q)先進国の国家債務が膨張しつづけるなか、安易に財政出動という選択を
とるわけにもいきませんね。?

A)日本は総額、GDP(国内総生産)の2倍に当たる借金があります。
それでも1%の金利で資金を借りることができる。
先進国の歴史をみれば、現在のレベルよりはるかに多くの借金を抱えた
ことが、過去には何度もありました。
そもそも、(日本の財政が)債務危機に直面している、
という考え方は間違っているのです。


A)もちろんユーロ危機は目前のものとして存在しますが、それはユーロ圏
だけの問題です。
自らの通貨をもっていて、そこまでの現実的な問題に
直面している国はありません。


Q)ならばそこで、最も望ましい財政政策と金融政策のベストミックスは
どのようなものでしょう。

A)完全雇用に近いかたちにまで経済を戻せるように
かなりアグレッシブな財政拡張政策をとるべきです。

さらには次の5年間に2〜3%のインフレ率になるよう、金融緩和を
組み合わせなければならない。
そうすることで個人投資に対する真のインセンティブを提供し、ある程度、
借金を削ることもできる。
うまくいけばそこで、自律的回復を生み出せる可能性があります。


この先生は、市場に任すべきといったり、財政出動はいらない
といっていたのですが、ようやく現実を見る目が出来たのか、
言うことがすっかり変わってしまいました。

民主や自民の小さな政府と増税を目指している人たちに、
ぜひ読ませてあげたいです。

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